槍投げ、北口榛花の強さの源は?

秋には、東京で世界陸上選手権大会が開催される。34年ぶりの東京での開催になるが、トラック&フィールドで多くの日本人選手の活躍が期待される。代表内定しているのは、まだわずかだが、これから続々と代表が決まることになる。

代表内定している中で最も期待値が高いのは、槍投げの北口榛花だ。

2023年のブダぺスト世界選手権では最後の一投で66m73を投げて金メダルを獲得し、パリ五輪では、決勝で最初の一投で65m80をマークし、金メダルを獲得した。今や無敵を誇る北口だが、目立つのは大舞台での強さ、パフォーマンスを出し切る力だろう。

小さい頃からバスケ、水泳、バドミントンなどのスポーツに加え、高校から陸上を始めた。槍投げに偏るのではなく、100mや4×100m のリレーなどにも出場し、バランス良くトレーニングをしてきた。

多くの試合を経験することで、緊張こそするものの「小学生の時からスポーツをしてきて、規模は違いますが『試合』というものをずっと経験しているので、自分が試合で良いパフォーマンスをするためのルーティンが決まっています。それができれば問題ない。勝つときは勝つし、負けるときは負ける」という割り切りのメンタルがここ一番という時の勝負強さを生んでいる。

東京では、魅せるやり投げで優勝し、世界の選手やファンに好感を持たれているとびっきりの笑顔を見せてくれるはずだ。

参加資格有資格者では、もし代表に選出された場合、以下の選手の期待が膨らむ。100mのサニブラウン・ハキームの決勝進出が楽しみであるし、マラソンでは来年3月に國學院大を卒業予定で今年の大阪マラソンで2時間6分18秒の学生記録をマークした平林清澄、3000m障害でパリ五輪8位の三浦龍司、女子1500mの田中希実が好レースを展開してくれるだろう。