「現在の司法の限界」1億円近い損害賠償、払えなかったら?
ホラン千秋キャスター:
気をつけていても事故は、どこで起こるかわかりません。いざというときのために、保険に入るなど備えをしている人も多いのでしょうか。

交通事故案件 累計100件以上 野口辰太郎 弁護士:
加入率は、年々増加傾向にあると聞いています。ただ、3人に1人は加入していないといわれていて、未加入の人は相当数存在する状況です。
井上貴博キャスター:
私も子どものときは(自転車の保険に)入っていませんでした。今、電動アシスト自転車など種類もさまざま広がって、それぞれにリスクがあると思います。
例えば、子どもが事故を起こして損害賠償命令を受けたとしても、1億円近い金額は払えないこともあるかと思います。そういう場合、どうなるのでしょうか。
野口辰太郎 弁護士:
保険に入っていない、お金も持っていないとなると、最終的には被害者が泣き寝入りをすることになってしまいます。
現実的に、取れないところからは、取れないというのが、現在の司法の限界となっています。

オンライン直売所「食べチョク」秋元里奈 代表:
(自転車は)かなり身近な乗り物なので、これだけの賠償命令が出ている事例を知っている人が少ないのかなと思います。
11月から厳罰化され、酒気帯び運転になりそうな人にお酒を提供するだけでも対象になるなど、昔だと厳しくなかった点も、いまは見直されています。保険などでケアしなければいけないものになっているという自覚がある人と、ない人に分かれているのかなとは思います。
井上キャスター:
取れないところからは取れないというのはわかりますが、被害者からすると「たまったものじゃない」ですよね。
野口辰太郎 弁護士:
そうした状況を改善するために、各都道府県が、自転車の保険について加入義務を定めている状況です。