アサド親子で半世紀 “独裁”が終焉
アサド政権が終焉を告げるまでシリアで何が起こっていたのでしょうか。

2000年、父親の後を継いで就任した次男のアサド大統領。親子2代にわたって半世紀以上、独裁政治を続けてきました。
2011年、中東で起きた民主化運動「アラブの春」。シリアでも反政府デモが相次ぎましたが、アサド政権は武力で弾圧し、反体制派勢力との内戦に突入しました。

ロシア軍の支援を受けたシリア軍は、市街地への空爆を繰り返し、子どもを含む一般の市民が犠牲に。さらに反体制側に対して大量破壊兵器の一つ「化学兵器」を使用した疑いも。

国外へ避難する人が相次ぐ中、2015年にシリアから脱出した船が転覆し、3歳の男の子の遺体がトルコの海岸に打ち上げられる悲劇が。

2017年にJNNの単独インタビューに応じたアサド大統領。
アサド大統領
「我々は死傷者をなくすため、できる限りのことをした。市民のために叫んでいる人たちは、シリアやロシアが一般市民を殺しているという証拠を一つでも出したか?」
シリア内戦をめぐっては、これまで30万人以上の民間人が死亡し、国外に非難した難民は約680万人にのぼっています。
アサド政権の崩壊を受け、アメリカのバイデン大統領は…

バイデン大統領
「アサド政権は何十万人もの罪のないシリア人を拷問し、殺害した。今回の政権崩壊は正義がもたらした結果だ」
今後、シリアはどうなるのか。
日本国際問題研究所 松本太 プラットフォーム本部長
「新政府がどういった構成で結成されるのか、まだ未知数。当面、人道状況の改善という意味では時間がかかるんじゃないのかなという印象」