アサド政権が崩壊した中東シリア。大統領は“後ろ盾”"となっていたロシアに亡命しましたが、政権崩壊は世界にどんな影響を及ぼすのでしょうか?
「私たちはこれから国をつくるんだ」攻勢から12日でアサド政権崩壊

現地時間9日、午前8時のトルコ・シリア国境。人々はこの時を長く待ち望んでいました。
増尾聡 記者
「いま国境が開き、朝から列で待っていた人たちが検問所の方へ向かっていきます。長い間、難民として生活してきた人たちがあのように大きな荷物を持って国境を越えてシリアへと帰っていきます」

男性
「14年間待っていた。故郷に帰りたい。家を作りたい。シリアが繁栄し、良い未来が訪れるようにと願っている」

男性
「(政権が崩壊した)その瞬間の自分の気持ちは表現できない。信じられなかったんだ。シリアは自由だ。私たちはこれから国をつくるんだ」
“政権崩壊”翌日、首都ダマスカスは反体制派勢力に掌握された町ですが、人々の表情には笑顔が浮かんでいました。

男性
「この気持ちは言葉では言い表せない。これは夢のようで、まだ目覚めていない夢だ」

内戦が続いていたシリアで、事態が大きく動いたのは11月27日。反体制派勢力は拠点とする北西部の町イドリブから大規模な攻勢を開始。11月30日までに第2の都市アレッポを制圧すると、その後も首都ダマスカスに向けて要衝都市を次々に掌握していきました。

シリアの反体制派勢力
「ダマスカスは解放され、暴君バッシャール・アル・アサドは打倒された」
反体制派勢力が首都ダマスカスを陥落させたことで、13年続いた内戦に終止符が打たれたのです。攻勢を始めてからわずか12日目の出来事でした。