川内原発での事故を想定し、住民避難などに役立てようと県が運用している原子力防災アプリで、ことし9月、登録者情報が利用者の携帯端末から消えてしまう問題がありました。その後の調査で県は一部のiPhoneでの不具合が原因だと判明したと発表しました。

県の6日の発表によりますと、問題は県が運用する原子力防災アプリで利用者の氏名や住所などの登録者番号が携帯端末から消える不具合がことし9月13日に判明したものです。

不具合が起きるまえの9月2日に、県はアプリの運用を開始した2022年4月以降6回目となるアプリのアップデートを行っていました。その後の県の調査で登録者情報が消える問題は一部のiPhone端末のみで発生し、Android端末では発生していなかったことが分かりました。

原因は一部のiPhone端末において、アプリをアップデートした際に利用者のiPhone端末本体の設定が何らかの影響を与え、端末IDが変更されてしまい、登録者情報が消えた可能性が高いと判断したということです。

これまでにiPhoneを利用しアプリに氏名などの情報を登録した2019件のうち15件で不具合の発生が確認されています。一方で、個人情報の漏えいはなく、新たにアプリを登録する際に不具合は発生しないとしています。

県はiPhone端末で登録者情報を入力した原子力防災アプリの利用者に情報を改めて確認し、氏名などの情報が消えている場合は再び情報の入力をするよう呼びかけています。

また氏名や住所などの登録した情報が消えていても、避難所で提示すると氏名や住所などを記入する必要がなくなるQRコードは表示できないものの、避難に関する情報の受け取りや避難経路の検索などは問題なくできるということです。

今回の問題について県の原子力安全対策課は「深くお詫びし、再発防止に努める」とコメントしています。