「日本でサッカーをやりたい、関わりたい」と思う人を増やしたい

―――Jリーグは世界の中で今、どのような立ち位置なのでしょうか?
 プロの世界なので、一番大事なのは、例えばクラブの売り上げですかね。それでいうと、日本のクラブの規模はまだまだです。ヨーロッパのトップのクラブの4分の1とか、5分の1とかでしかなくて。でもおそらく売り上げだけではない日本のサッカーの魅力ってあると思っています。「あの国に行ってサッカーを見るのは安心だし、安全だ」と。そこに関しては日本が一番だと思っています。近頃は「日本に観光に行きたい」と考える外国人も多いわけじゃないですか。日本の魅力による観光需要に、サッカーを含めて日本に来るということが実現できると、おもしろいのかも知れないなと。

―――日本に観光に来る外国人の目的の1つにJリーグ?
 今でこそヨーロッパがすごくて、日本はまだ足りないところではあるけど、ヨーロッパが今のままとも限らないし、30年後には全く違うグローバルのサッカーシーンになっているだろうし、そうなったらいいなと思っています。その時に日本は、アジアの中で最も魅力的で世界から見ても「日本でサッカーをやりたい、関わりたい」という人が増えているような状態になるのではないかなと思っていますし、そうなるように取り組まなければならないと思っています。

―――Jリーグの魅力はなんでしょう?
 地元にクラブがあって、そのクラブに関わることでクラブが成長するということを体感できるのが、一番の魅力かなと思っています。選手をやっていると、サポーターや地元の人たちのスタジアムで作ってくれた空気感で勝てたと感じる試合は、絶対あるんですよ。一緒に大きくなった、昇格した、タイトルをとったと感じられるのは、すごく魅力的なことです。リアルに多くの人が1つになって「何かの目標を達成する」ことができるのは、そんなに多くないと思うので。サッカーは、そうなり得るスポーツかなと。