2021年8月、東京・港区の白金高輪駅で男が知人の男性に硫酸をかけた事件。
男は犯行後、静岡の自宅に戻り新幹線や飛行機で逃走を続けていたが、事件から約80時間後に沖縄で身柄を確保された。逮捕に至るまでの、捜査班の舞台裏を取材した。
■事件発生、犯人は逃走
2021年8月24日午後9時すぎ。
「白金高輪駅で男が、男性に硫酸とみられる液体をかけた」
「男は現場から逃走、被害者は火傷を負っている」
事件の一報を受け、警視庁捜査1課の初動捜査班は、逃げた男の行方を追った。
初動捜査班とは、名前の通り、凶悪事件発生時に、いち早く現場に投入されるチームで、防犯カメラ捜査をはじめ、聞き込み、張り込みなどを行い、容疑者を割り出す捜査を担う。
■無差別の犯行か?それとも狙ったのか?
無差別であれば、一刻も早く犯人を捕まえて第二の事件を防がなければいけない。
被害者の男性を狙っていた場合は、男性の行動をたどれば、犯人があとをつける様子が確認できるはず。
犯行前と犯行後、捜査班は二手に分かれて逃げた男の足取りを追った。