斎藤知事のSNS戦略は公選法違反?“運動員買収”の可能性も
小川彩佳キャスター:
PR会社の社長からはその後、発信はないわけですが、違法性についてどう考えますか。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩氏:
選挙のプランナーというのはたくさんいて、候補者とプランナーが相談し合いながらプランナーの人がアドバイスして、報酬をもらう関係は問題ありません。
しかし、プランナーが有権者に「投票してください」と呼びかけるというのは選挙運動になるので、お金をもらって選挙運動をしてはいけないということで、引っかかるわけです。
日本の選挙は、お金をつぎ込めるお金持ちが有利にならないよう、基本的にボランティアでやってもらうということになっています。
今回、その問題をよく認識しないでこのPR会社の社長が選挙運動をやっていたとすれば、これは深刻な運動員買収ということになりますので、最終的には刑事事件として解明することになるのではないかと思います。

東京大学准教授 斎藤幸平さん:
同じ斎藤として、次から次に出てくる疑惑に頭を抱えています。
今回、叩きやすいから話題になってるだけで、このPR会社の女性の活動が当選に繋がったとは私は思えません。
実際、SNSでバズっていたのは別のもので、例えばNHK党の立花党首さんが言ってみれば二馬力になるような形で斎藤知事を応援して、それに全国のYouTuberも参加したというのが、盛り上がりの決定的な要因だったように思います。
それが、既得権益層や、「マスメディアにはめられたのに悪口を言わない斎藤知事は偉い」というイメージ戦略にもなっていました。そういう点の方が選挙規制を形骸化させて、フェアではない問題だと私は見ているので、その点も忘れないで欲しいと考えています。
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<プロフィール>
斎藤幸平さん
東京大学准教授 専門は経済思想 社会思想
著書『人新世の「資本論」』が50万部突破
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身 政治記者歴30年