今と何が違うのか
一方の現代です。
この30年というもの、所得倍増どころか、日本人の所得は一向に上がりませんでした。
単純にあの頃と較べることはできませんが、何が似ていて何が違うのでしょう。
自民党に逆風が吹いているのは同じ。国際社会が戦争への危機感を持っているのも同じです。格差が拡がり、貧困が問題になっているのも(レベルの差はありますが)割合似ています。
しかし、何が違うって、圧倒的なのは、次の部分でしょう。
人口増加中の60年代と、人口減少中の今。若い人が多かった60年代と、高齢化の進む今。
何より「追いつけ追いこせ」の60年代に較べて、今の日本は「守り」に入ってしまっています。
所得倍増計画の「意義」
池田内閣の「所得倍増計画」は、戦後日本の経済発展を決定づけ、国民の生活水準を飛躍的に向上させました。しかし、それ以外にもじつは「精神的」な意義があったといわれます。
それは天下国家を武士的に語るのではなく、経済つまり商人的な金勘定がこれからの日本を決定づけるのだと、国民に印象づけたことです。そういえば「エコノミックアニマル」などという揶揄の言葉が生まれたのも、この政策の直後からでした。














