重点政策は何か?

はたしてそんなにうまくいくものか。うまくいくためには前提がありました。
まずは産業基盤の整備です。高速道路や新幹線などの交通インフラ、電力や通信インフラの強化をしました。
次に産業の高度化です。製造業の近代化を進めるための技術革新と、労働生産性の向上です。
さらに貿易の自由化でした。ケネディ大統領ともサシで話し合い、国際競争力を高めるための輸出を促進させようとしました。

池田ケネディ会談 1961年6月ワシントンD.C.

そして、国民皆保険・皆年金制度の確立や、教育への投資拡大。さらには地域間の経済格差を縮小するため、地方の産業振興に取り組みました。
つまり先進国としての戦後日本の基盤は、すべてこの期間に出そろったのです。

結果は「吉!」と出た

じつは池田内閣が「所得倍増計画」をぶち上げた際、多くのエコノミストやマスメディアは「そんなことできるわけがない」と冷笑したのです。しかし、結果を見れば、10年でGNPは倍増どころか4倍になっていました。
高度成長を成し遂げ、国民は「三種の神器」や「3C」を買い求めるようになり、日本は1960年代末には世界第2位の経済大国にのし上がりました。いわゆる「先進国クラブ」OECDに加わったのもこの頃です。

国としては先進国へ。国民は冷蔵庫、洗濯機、掃除機、カラーテレビ、クルマ、エアコンを手に入れていきました。