17日、晩秋の福島路をタスキでつなぐ福島県内の市町村対抗、「ふくしま駅伝」が16区間96.3キロで争われ、郡山市が2年ぶり8度目の総合優勝を果たしました。2位のいわき市とのタイム差は「わずか3秒」。箱根駅伝の5区山登りで4年連続区間賞を獲得した‟山の神”、柏原竜二さんは「名勝負すぎる」と歴史に残る大接戦に驚きを見せました。

福島県白河市から福島市まで福島県内96.3キロを縦断する「ふくしま駅伝」。36回目を迎えた今年も午前7時40分に、白河市をスタートしました。

序盤は会津若松市がトップに立ち、いわき市や石川町がつづきます。その後、6区でいわき市が、7区では郡山市がトップでタスキをつなぎ、後半はこの両チームが、激しいトップ争いを演じます。

https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1556602?display=1

勝負は終盤までもつれ込み、最終16区(8.4キロ)では、いわき市の富士通・村上康則選手(40)と郡山市の城西大学1年・橋本健市選手(19)とのアンカー対決に。元実業団選手の村上選手は、東アジア大会や日本選手権の1500メートルで優勝した実力者です。

いわき市の村上選手が2位の郡山市に10秒差のトップでタスキを受け取りましたが、橋本選手が1.4キロ過ぎで村上選手に追いつくと、2人のマッチレースとなります。

実況「最後の最後までデッドヒート!まだ勝負の行方はわかりません!郡山アンカーの橋本健市、追うのは村上です」

その差はわずか3秒差。トップでゴールテープを切った郡山市が、2年ぶり8回目の総合優勝を果たしました。また、町の部は石川町が、村の部は西郷村がそれぞれ優勝しました。

「名勝負すぎる」柏原竜二さん

96.3キロを16人が走ってわずか3秒差となった今年の大会について、箱根駅伝の5区山登りで4年連続区間賞を獲得した‟山の神”、柏原竜二さん(富士通・福島県いわき市出身)は「ふくしま駅伝、歴史に残る名勝負すぎる。感動した」とレース終了直後にXに投稿しました。所属先で村上選手の同僚でもある柏原さんは「村上さんは体力的に1回しかスパートができないと思ったので、どこで勝負するかと思っていた。ゴールの県庁に入るときのコーナーで村上さんが少し膨れてしまったがゆえに、少し遅れてしまった。この3秒が大きな分かれ目になった」と勝敗を分けたポイントを話しました。

レース後 インタビューに答える村上選手

レース後、村上選手は「郡山市のアンカーがかなり強い選手なので、1回追いつかれてから2人で行ければいいなと思っていました。持ち味はラストスパートなので、ラスト1キロ切ってからと思って、ひたすら頑張っていました。40歳ですけど、帰ってきて走れるうちは走りたいと思います」と話しました。

インタビューに答える郡山市の橋本選手

一方、橋本選手は「村上さんが去年区間賞をとっていて、力のある人だとわかっていて、その中で恐怖というのがあったんですけど、しっかり自分で最後にスパートして勝ち切れたので本当に良かったと思います」と話しました。

柏原さんは箱根駅伝5区で3年連続区間賞を獲得していた2011年の東洋大学3年時に、東日本大震災・原発事故で甚大な被害にあった故郷が元気になればと、ふくしま駅伝に出場し、総合区間賞を獲得しています。