
昨今ではエコへの配慮で、洗って繰り返し使えるプラスチック箸の導入も増えている。とはいえ、まだまだ割り箸は現役選手だ。それゆえに筆者が味わった“悲劇”をご紹介したい。
あるとき友人と訪れたラーメン店には、木製の割り箸しかなかった。「いただきます」と両手を合わせたのち、いざ箸を割ろうとするも、目の前の1杯が楽しみすぎて勢い余ったのか、片方がベキッと折れてしまったのである!
これでは短くて握れないのと、店の備品(&地球の資源)を粗末にしてしまった申し訳なさのダブルパンチで、思わず「マズい…」と漏らした筆者。すると友人が、周りに聞こえないよう「いやー、これウマいな!」と、慌てて声を被せてきた。
そうか、飲食店で「マズい」なんて口にすれば味への文句と捉えられてしまう…。友人の機転のおかげで筆者は失礼な客にならず済んだわけだが、箸を一発で割れなかった自分を、あれだけ恥じたことはない。
そこで今回は、ホンダで自動運転車などの開発責任者を歴任し、現在は電動モビリティシステム専門職大学の教授・学長上席補佐に就任している古川修さんに取材した。古川さんは食文化にも造詣が深く、割り箸を上手に割るコツも、学問的に説明できるのだという…。