“利き手”と“反対の手”の役割分担がカギ

「応力とは、材料力学の言葉です。割り箸はもともと、製造上のばらつきで、完全な左右対称にはつくられていません。そのせいできれいに割りにくいという事情もあるのですが、やはり、私たちがどのように割るかどうかも影響してきます。
ポイントは、割り箸の2本両方に、応力を均等に伝えてあげることです。そのためには急激な力ではなく、静的な力を、徐々にかけていくようにしてください。
先ほど、利き手が下になるように割り箸を持っていただきましたよね?それはなぜかというと、私たちは利き手のほうが、反対の手よりも動きが激しくなってしまいがちだからです」
──なるほど…利き手は自由に扱いやすい分、静的な力をかけるのには、かえって不向きということでしょうか。
「はい、利き手はあくまでも割り箸を支えるだけにとどめましょう。そうすると、あとは反対の手を動かすことだけ考えればよくなるので、箸を引っ張るときに余計な力が入らないようコントロールしやすくなります」
──続いて、“割り箸の先端から指3本分くらいの位置”というアドバイスの真意は?指2本分や4本分ではいけないのでしょうか?