風雨で傷んだ世界遺産の現状

瓦は痛み、内部では大規模な工事が行われていました。「令和の大修理」とも呼ばれる3年がかりの修復工事です。

株式会社 友建設 池田徹さん:
「上の彫刻ですね。その彫刻がむこうの壁のほうはもう腐っているんですよ端々が折れているのでキリスト教のローマ法王とかのあの時の彫刻をやられた方がいらっしゃって、で、その方に頼んで今修復中です」

さらに驚いたのは、建物を支えていたはずの柱の中が空洞になるほど腐食していたことでした。外側の壁に近い程、傷みも進んでいます。

株式会社 友建設 山下政樹さん:
「雨漏りが西側面かなりひどくて、もう埋められている木が腐ってなくなっている状態で。これじゃもちろん屋根を支えることができない」

建物の劣化に詳しい長崎大学の出水享工学博士は、事実上の無人島となっている野崎島の状況も劣化の一因と指摘します。

長崎大学 出水享工学博士:
「元々とここら辺はたくさん家があり人が住んでいましたし、教会の周りも昔は防風林みたいなものがあったという風に聞いています。そういうものが少しずつ減ってきて、風当たりも強いし」