50年前の野崎島
明治以降、教会が建設されてからの野首地区では、教会が集落の中心でした。この映像は1970年ごろに撮影された野首地区です。

教会の周りには家がたっていて木も生えていました。こうした建物や木が、結果的に教会を風から守っていましたがー

いまは何もない斜面に教会だけが残り、厳しい自然の中に取り残された状態です。
長崎大学 出水享工学博士:
「やはり一番は無人島になって人がいなくなって手入れができなくなった、難しくなったというのが一つの原因」
実は石垣こそが世界遺産!
そして別の問題もー。教会近くで撮影された写真には、檻にとらわれたイノシシの姿が映っています。島では今、イノシシによる被害も深刻です。

小値賀町教育委員会 山元忍班長:
「イノシシが土を掘り起こして、下に石を落とし、石垣を崩していってしまっている」
石垣はイノシシに掘り起こされて崩れていました。イノシシは遊びで石を掘り起こしているようですが、この被害がなぜ深刻なのか?
小値賀町教育委員会 山元忍班長:
「この石垣は当時の方々の生活を知る上でも重要な構成資産ですので、それを崩されるということは世界遺産、もうこれがもうまさに世界遺産そのものなので」
石垣は人々がここで信仰を守り、生活した証であり、これこそが野崎島が世界遺産となった根拠なのです。