被告に言い渡された判決はー「殺害への執拗さが目に余る」
11月22日、渡辺被告に判決が言い渡されました。
「主文、被告人を無期懲役に処する」
被告側は、殺人未遂の罪と、殺人予備の罪について無罪を主張していました。判決で新潟地裁は、殺人未遂の罪について「妻が睡眠薬入りの飲み物を飲んでいたことを認識したうえで運転を止めなかった」と指摘。殺人予備の罪については、インターネットで、”塩化カリウムの致死量”などを複数回検索していたことから「妻を殺害しようと考えていたものと認めるのが相当」と、殺意を認めました。
そして次のように指摘しました。
少なくとも妻に対しては、徐々に殺害への意欲を高める中で都度殺意を生じ、遂には殺害を実現したものといえ、殺害への執拗さが目に余る。
妻殺害の動機は、不倫相手との関係に居心地の良さを覚え、仲が深まっていく一方で、不倫や使い込みが発覚して家庭内で肩身の狭さを覚えるようになった結果、妻への不満が高まったが故のものといえる。自身の非を棚上げにした極めて自己中心的で身勝手なものというほかない。
長女殺害に関しても、不倫相手との関係性の高まりが背景にあったといえ、妻の殺害を目撃され、恐怖を覚えたことにも動機の一端があるとしても、これまた誠に身勝手である。
他方で、いうまでもなく、被害者らには何らの落ち度もない。経緯や動機に酌むべき点は皆無である。
また、看護師である被告人が、その知識、技術及び立場を悪用し、本来治療目的で使うはずの薬剤等を利用して殺人未遂及び殺人予備等の各犯行に及んだことも強い非難に値する。
被告人の刑事責任は極めて重大である。