意外に多い?隠れハリスとは 大統領選Z世代は「嘘をつく」

齋藤キャスター:
そして、今回の大統領選挙で予想困難にしている要因の一つと言われるのが、過去の選挙でも話題になった「隠れトランプ」の存在です。
過激な発言や差別的な発言によって、周囲からの批判を恐れ、トランプ支持を公言しない人たちが選挙に行き、結果的にはトランプ支持層が多かったということもあります。

今回はこれに加えて、「隠れハリス」という存在も出てきています。
現地メディアによると、家族・周囲の人たちが熱狂的なトランプ支持者だった場合、自分だけハリス支持を公言できない人たちがいるということで、実際に蓋を開けてみないとわからないというところが多くなっているそうです。
さらに、アメリカのニュースサイトでは大統領選挙について「誰に投票すると聞かれ、嘘をついた?」という質問に、「嘘をついた」と回答したZ世代は48%と、半分程度が嘘をついたということで、このような隠れ層と、本音を言えない層というところでより予想が難しくなっています。
井上キャスター:
メディア嫌いの方から言うと「なんで正直に言わなきゃいけないんだ」ということなのかもしれません。前々回ぐらいから、特に既存メディアが出す数字が実態と合わなくなってきている。メディアも世論調査を対面ではなく、様々な方法に変えているという話も聞きます。日本でも、専門家によってはもうトランプ氏が圧勝だという方もいますが、この数字はどうとらえるべきですか?

樫元照幸 支局長:
世論調査の技術的な部分は、岐路に立たされているところなんでしょうね。
しかし、「隠れトランプ」というのは2016年にはかなりいたのですが、今ではトランプ氏を支持することを隠す人はあんまりいないと思います。
むしろ、今回注目されているのは、実はハリス氏を支持しているが家庭の環境上なかなか言えないという人がかなりいるんじゃないかということで、その人に焦点を当てた民主党のCMが最近流れています。「旦那が何を言っても、奥さんは自分の意思で投票しなさいよ」というようなことを促すCMです。
注目は、表には言えないけれども「やっぱり女性大統領は…」のようなネガティブな思いを持つ人が、特に男性の間でそれなりにいるんだと思います。
これはなかなか表立って言えない部分もありますので、実際にそういう人たちがどれだけいるのかというのが、投票・開票の結果でわかってくると思います。
井上キャスター:
やはり、まだステレオタイプの方が一定数いらっしゃるということですね。
樫元照幸 記者:
一定数いるんだろうと思います。
========
<プロフィール>
樫元照幸
TBS報道局外信部 ワシントン支局長