小泉氏の応援に湧く義家氏の最終日 しかし実情は厳しく…

26日、選挙活動最終日。本厚木駅で、小泉進次郎氏が義家氏の応援演説に駆け付けた。さすがの人気ぶりで、駅前は大きな人だかり。中には海老名からわざわざ小泉氏の応援に来る人の姿もいた。しかし、その盛り上がりとは裏腹に、戦いの実情は厳しいものだったようだ。

演説後、遅めの昼食をとるべく商店街にある喫茶店に立ち寄った記者。そこで偶然居合わせたのが、義家氏陣営の選挙対策委員長だ。

話を聞いてみると、苦笑まじりに「番組冒頭での当確はやめといてね」と話す。義家氏陣営が嘆くのも無理はなく、各社とも「後藤氏がリード」と報じる状況。選挙戦終盤にJNNが行った調査でも、30ポイント以上の差がついていた。どの調査を見ても一つも勝っていないことに対する、陣営の落胆ぶりが会話の節々に垣間見えた。

その差は投開票日まで狭まることはなかった。JNNでは取材結果から逆転が難しいと評価し、午後8時に後藤氏に当確を打つ決定を下した。最終的な開票結果では得票率の差は約17ポイントと調査結果よりは小さかったものの、3万3000票差で義家氏の大敗となった。

調査よりも差が詰まった理由の1つには、両氏が勝負をかけた海老名市で浮動票が維新・伊左次美江氏に流れて、後藤氏が伸び悩んだことがあげられる。

しかしリードを守り切った後藤氏は、自身初となる選挙区2連勝をおさめた。一方2012年から議席を守っていた「ヤンキー先生」は、議席を失うこととなった。

開票の翌日、義家氏陣営に話を聞くと、今回の敗因をこう話してくれた。

「厚木では、地盤を持つ後藤氏の動きに届いていなかった。そして、今回はやはり『県内唯一の裏金議員』という義家氏に対する風当たりが強かった。支援者の中では『納得はしなくても一定の理解はしよう』ということでまとまっていたが、それはあくまで支援者内の話。選挙区の有権者への説明が不十分だった。さらに終盤には“2000万円問題”で自民党に対する逆風が強まった」

厳しい逆風の中、苦杯を喫した義家氏。選挙戦後、自身のSNSで「全ては私の力不足」と総括した。