双眼鏡とカウンターを手にした独特な手法

事前の調査や当日の出口調査でも「激戦」でどっちが当選してもおかしくない…。そんな状況の時に参考にするのが「束読み」です。これはかなり独特な手法です。

投票が締め切られた午後8時に地域の体育館などで開票作業が始まりますが、正式な票数が発表されるまでは時間がかかります。そこで、少しでも早く票数を把握して当確を出すために行うこともあるのが「束読み」です。

実は開票会場には参観席が設けられていて、そこに双眼鏡やカウンター、脚立などを持ったスタッフが各社から派遣されています。会場によってまちまちですが、実は候補者1人1人の票は、数百票ごとに束ねて票数を確定していくので、その束の数を数えることで大まかな票数がわかるのです。

これらは、束の数を読む作業なので、読んで字のごとく「束読み」と呼ばれています。

双眼鏡をのぞき、カチカチとカウンターで数えていく光景から、「バードウォッチング」と言われることも。体力的に大変な作業ですが、数えた票の数を報告してもらい、最終判断に用います。

こうして得られた全ての判断材料をもとに、慎重に正確に当確を出していくのです。

独自の調査と取材などをもとにお伝えしている当確。裏での地道な作業を思い浮かべながら選挙特番を見てみると、一味違った視点で楽しめるかもしれません。