『社長』兼『理事』が解任・辞任…法人解散で小屋は“宙ぶらりん”に

京都市も完成を期待していた鵜小屋がなぜ放置されているのか?嵐山で約70年にわたり鵜飼を行っている嵐山通船に話を聞きました。

飼い慣らしている25匹の鵜をあの小屋に移す予定でしたが…。
(嵐山通船 小島義伸社長)
「前社長が株主総会の前の役員会で解任されて、その後、1年後になったら前社長が理事をやっている一般社団法人(鵜飼協会)も解散してしまって、宙ぶらりんになっているんですね。あの小屋は」

嵐山通船は2020年4月、「経費を私的に流用した」として前社長を解任し、約1100万円の損害賠償を求めて提訴しました。前社長は鵜小屋を建設していた社団法人「鵜飼協会」の理事も務めていましたが、社長解任後すぐに鵜飼協会の理事も辞任。すると協会は解散し、鵜小屋の建設も止まってしまったというのです。
(嵐山通船 小島義伸社長)
「京都府が一般社団法人(鵜飼協会)に許可下ろしたんやから、責任は一般社団法人(鵜飼協会)にあると思うんですよ」

鵜飼協会が当時京都府に提出した誓約書には“鵜飼協会が鵜小屋の全責任を負う”と明記されています。
【鵜飼協会が提出した誓約書より】
『設置許可を受けて建築した鵜飼小屋の維持・管理等一切のことについては当振興協会が全責任をもって適切に行う』
工事は嵐山通船と工事業者の間で契約

このことから嵐山通船は、鵜小屋が放置された責任は鵜飼協会にあると主張しますが、京都府からは予想外の反応が。
(京都府職員)
「(建設費)760万なにがしかくらいの一部を解体費用にあてていただく」

京都府から鵜小屋建設の許可を受けたのは鵜飼協会ですが、工事の契約は協会ではなく嵐山通船と工事業者の間で結ばれていました。鵜飼協会が解散したため、京都府は嵐山通船に対して鵜小屋の撤去費用として約760万円を支払うよう求めたのです。
(嵐山通船 小島義伸社長)
「今になって5年間の許可を出した京都府がうちの会社に鵜小屋の面倒を見ろと、なんかわけのわからないことを京都府が言ってくるのでね、うちも対処できていない状態なんです」