前社長を直撃「私がどうこう動ける立場じゃない」

 また鵜飼協会の代理人も、前社長が工事の契約を行ったことを理由に、「嵐山通船が責任を負うべき」と主張。そこで取材班は両者の事情を知るキーマンである嵐山通船の前社長に直撃しました。

 (嵐山通船の前社長)
 「(Q鵜小屋はなぜ放置されているんですか?)それはもう向こうに聞いてください。(Q嵐山通船のせいってことですか?)いやいや、そういうのじゃないです。(Q誰かが対処しないといけないがその立場ではない?)今、正直その立場にいないので、嵐山通船にも属していません。一般社団法人(鵜飼協会)にも属していません。その立場にいないので、私がどうこう動ける立場じゃないわけですよ。(Q誰が責任を持つべきなんですか?)それはもうなんとも言えないです。今は本当に」

 前社長は「自身に責任はない」と繰り返しました。

京都府「土地を貸して許可出しているだけ…当事者間で決めて」

 関係者の意見が噛み合わず完全に宙に浮いた鵜小屋。いったい誰が責任をもって解決すべきなのか?京都府に尋ねました。

 (京都府京都土木事務所 小寺睦男課長)
 「あくまでも京都府は土地を貸しまして許可を出しているだけでありまして、こちらがその所有権をどうするか決めることができませんので、やはり当事者間で決めてもらわなければならない」

 一方で府は、鵜飼協会に対して3度にわたって鵜小屋を撤去するよう行政指導を行ったとした上で、さらなる措置も辞さない構えです。

 (京都府京都土木事務所 小寺睦男課長)
 「非常に長い時間放置された状況になっていますので、最悪の場合、行政代執行というのを考えていかなければならないかなと」
 関係者が皆「我関せず」と口をそろえる鵜小屋。新たな住処を失った鵜たちが一番の被害者かもしれません。