滋賀短大付属が6回に4得点で逆転に成功

 6回裏、2つのフォアボールと内野安打でノーアウト満塁とピンチを招いたところで、ついにマウンドを矢野塁投手に譲ります。大阪桐蔭戦では好リリーフで反撃を抑えた矢野投手。しかし、この日は滋賀短大付属打線が一枚上手でした。

 この場面で、6番の北嶋朔太郎選手が、矢野投手が「一番自信のあるボール」と語った初球のストレートを見事にはじき返します。「狙い球が来たので、強い打球を打とうと振り抜いた」というあたりは、レフトオーバーのタイムリーツーベースとなって、滋賀短大付属が2対1と逆転に成功します。さらにその直後、履正社に痛いミスがでます。キャッチャーからの送球が乱れる間に3塁ランナーがホームイン。この後、スクイズで1点を奪われて4対1とリードを広げられてしまいました。

 ここで雨が激しくなって、試合は一時中断。履正社にとっては嫌な流れを断ち切るチャンスが訪れます。中断明けの7回表、先頭の田中日和大選手がセンターへのヒットで出塁。追い上げの機運が高まります。それでも、桜本投手は冷静でした。ランナーを背負っても投球のリズムが乱れません。落ち着いた投球でこの回を切り抜けると、8回2アウト1塁2塁のピンチでも5番の金光祥玄選手に対して、低めへのストレートをズバッと投げ込んで見逃し三振を奪い、ピンチを脱出しました。

 結局、最後まで履正社打線に連打を許さなかった滋賀短大付属が、少ないチャンを生かして4対1と鮮やかな逆転勝ち。ベスト8に駒を進めました。一方、大阪桐蔭を下して自信をもってこの大会に臨んできた履正社でしたが、まさかの初戦敗退で、甲子園を目指す舞台から姿を消すことになりました。

 試合後、「自分の責任。選手たちは本当に頑張ってくれた。申し訳ない気持ちでいっぱい」と語った履正社・多田晃監督。次の舞台に向けて、もう一度、選手たちと気持ちを一つにする姿がありました。