
末期の脳腫瘍患者でスペイン人のカロリーナさん(54)は、緩和ケアを受けられるホスピスで最期の時を迎えようとしていた。
この1か月前の2021年6月、安楽死法が施行されたスペイン。自殺を固く禁じているカトリックの影響が強いこの国でも安楽死法が施行され、ヨーロッパで安楽死を容認する動きが広まっていた。
会話ができないカロリーナさんに代わって、長女が言った。
「母はホスピスで家族とともに穏やかな最期の時を過ごしています。安楽死を選ぶ必要はありません」

一方、交通事故の影響で激痛と闘い続けるラファエルさん(34)は、安楽死法は「心のお守り」と話す。
安楽死について市民はどう受け止めているのか。私はスペインにいる2人のもとを訪ねた。
(TBSテレビ 西村匡史)