企画書の想定キャストがそのまま出演
境 キャスティングも主要メンバーは当て書きのようにハマってましたね。
髙橋 大根さんの企画書に想定キャストとしてまさにあのメンバーが書かれていました。幸運にもそのまま皆さんお受けいただけてラッキーでしたが、出演を決められたのは大根さんの脚本の力も大きいと思います。
境 「地面師たち」は地上波のドラマでは描けない反社会性やアンモラルなセックスシーンも人々を惹きつけました。それは狙いでもあったのでは?
髙橋 反社会性とかヤバさというより、脚本開発が進み、撮影が進む中で見たこともない物語になる感覚はありました。これまでのドラマや映画と、意識せずその過激性を比べていたかもしれないですが、それより彼らが100億円を騙し取れるか取れないかのワクワクするエンターテインメント性に惹かれました。
ハリソン山中の暴力性も、彼の人間性を追求した結果です。セクシャルなシーンもキャラクターの欲望の発露として表現する必要がありました。Netflixじゃなきゃできないと思っていただけたのは嬉しいですが、物語として必要だからああいった表現になったのです。
境 キャスティングについて、この人なら視聴数を稼げそうだとか、逆にネガティヴチェックが会社から入ることはないのでしょうか?
髙橋 映画会社にいた頃は興行収入が何十億いった作品に出ている俳優に出てほしい、というのはあったかもしれません(笑)。しかし、Netflixに来てからそのような観点はなくなり、物語を作る上でベストなキャストであることが重要だと考えるようになりました。
境 「極悪女王」も鈴木おさむさんから提案を受けたのでしょうか?
髙橋 僕が入社するタイミングでたまたま、上司の坂本(坂本和隆氏、日本のコンテンツ統括)が鈴木おさむさんから企画の提案をいただいたそうです。坂本が考えていた開発ラインナップのリストに入っていて、「僕やりたいのでこの企画をください」と奪い取って担当しました(笑)。