“開かずの扉” 再審制度の問題点とは

今回の事件で改めて問われているのが、“開かずの扉”といわれる「再審制度」のあり方です。
袴田さんは再審請求から再審開始まで、実に42年間もかかりました。その主な理由が「証拠開示の制度がない」ことです。

いまの制度では、検察は「有罪」に有利となる証拠だけを裁判所に提出すればよく、「無罪」につながる不利な証拠を出す必要はありません。
袴田事件でも再審請求の際、弁護団は”裁判所に提出されなかった証拠”の開示を求めてきましたが、検察は「開示する法的根拠がない」として拒否していました。
2回目の再審請求で裁判長が提出を強く勧告したことを受け、2010年になってようやく開示されたのです。
そのなかに、今回の無罪判決の決め手となった「5点の衣類」の鮮明なカラー写真が含まれていて、再審の扉が開かれたのです。
日本弁護士連合会は、再審法を改正し、“証拠開示のルールづくり”などを求めています。

袴田さんの姉・ひで子さん(91)は10月8日、「私は巌だけ助かれば良いと思っておりません。再審法改正には大いに協力してまいりたい」と語りました。
えん罪被害を少しでも減らす取り組みが求められています。
(「サンデーモーニング」2024年10月13日放送より)














