家族を失うも、あえて「憎まない」 ガザ出身医師
また、イスラエルは、2023年10月以前にも、ガザにたびたび侵攻を行ってきました。そうした侵攻で家族を失いながら、あえて「憎まない」と訴える人がいます。
ガザ出身医師 アブラエーシュ博士
「憎しみや暴力を持って生まれた人は誰もいません」

10月4日、都内の大学でガザの難民キャンプ出身の医師を描いたドキュメンタリー映画「私は憎まない」の試写会が開かれました。
ガザからイスラエルの病院に通い、産婦人科医としてイスラエル人、パレスチナ人双方の赤ちゃんの誕生に携わるアブラエーシュ医師は、医師として、パレスチナとイスラエルの架け橋になろうと努力します。しかし、2009年、ガザの自宅がイスラエル軍の砲撃にあい、3人の娘が犠牲に。
それでもなお、医師は、パレスチナとイスラエルの平和的共存を訴えます。

ガザ出身医師 アブラエーシュ博士
「復讐は復讐を生む。だから私たちはそれを止め、この復讐の原因を防ぎ、前進しなくてはなりません」
そして今も続くイスラエルの占領と入植に、根本的な原因があるとして、体を蝕む癌に例えて非難します。
ガザ出身医師 アブラエーシュ博士
「誰が癌や病気と共存できるでしょうか?共存はできません。両者は平等ではないのです。私たちは、平等、権利、尊厳、正義、自由、独立に基づいた共存を必要としています」
しかし、侵攻が本格化してこの1年の間に、医師は、ガザにいる50人以上の親族を失ったといいます。
平和の兆しが一向に見えないガザ。医師は映画でこう語っています。
「憎しみを防ぐには、憎むきっかけを知ることだ」
(「サンデーモーニング」2024年10月13日放送より)














