「政策活動費」廃止に言及していたのに…

井上貴博キャスター:
あと党首討論で1つ驚いたのが、領収書の必要ない「政策活動費」を、今回「使う」とある意味で明言しました。
野党各党も「廃止」と言っていて、総裁選でもせっかく各候補者が「廃止」に言及していたのに、完全に元の木阿弥になってしまいました。

星浩さん:
これだけ問題になっているので、「今回は控えます」と言うべきですが、逆に言うとそれだけ自民党の事情が苦しいということの表れだと思います。一種の“不透明なお金”でも使わないとこの選挙は持たないという自民党の危機感の表れなんでしょう。

ホラン千秋キャスター:
ここでそのようなことを言わずに、「クリーンにやっていきます。不公平なく、平等にみんなやっていきます」って言った方が、国民に対する印象も変わろうとしてるんだなとアピールをすることもできると思いますが、それをあえてしないというのは?

星浩さん:
おそらく、それをする事と、お金をいっぱい使って組織選挙をやるのではどちらがプラスかっていうのを計算した結果なんでしょう。

井上貴博キャスター:
結局、あの総裁選の各候補者の話で、我々は何を聞かされてたんだろうと思ってしまいます。あの中には幹事長の歴任者もいらっしゃって、「政策活動費がなくてもいけるんだ」っておっしゃってました。でも結局蓋を開けると、選挙で使うという。

星浩さん:
総裁選では綺麗事言っていたが、その後は元の木阿弥みたいなことになってますよね。

井上貴博キャスター:
そうすると、例えば野党が政権とったときも、結局同じように政策活動費がないとできないのでしょうか?それとも、あれは理想論でしかないのでしょうか?

星浩さん:
これは野党は、政策活動費なしでいいということになってます。仮に政権交代ということになれば、いの一番でやる政策になると思います。

井上貴博キャスター:
できるとみている?

星浩さん:
はい。これは難しい問題ではなく、公職選挙法をちょっと変えればいいだけです。確かに参議院では自公が過半数持っているので、トラブルはあるかもしれませんが、公明党が今や「政策活動費はいらない」って言ってますので、公明党も巻き込めば、参院でも多数ですから、やろうと思えばできます。

投票率は前回55.93%で低いんです。これが上がってくれば、かなりの激変が起きる起爆剤にはなるので、投票率が今回は相当注目される。ちなみに、前回の政権交代のときは70%近い投票率でしたので、そこまで届くかどうかっていうのは非常に注目点だと思います。

ホラン千秋キャスター:
そうすると、この選挙で、もちろん国民の皆さんがいくことが望まれているわけですけれども、やはりこの政治家に任せたい、この政党に任せたいといった期待を持たせるところを見せてほしいです。

星浩さん:
有権者もよりましな政権・候補者を選ぶことを考えていく選挙になると思います。

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<プロフィール>
星浩 さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身
政治記者歴30年