「かっこいい車両に仕上がった」「いい沿線だなと知ってもらいたい」

 デビューまで半年を切った今年5月。深夜の車両工場の周りには多くのファンの姿がありました。

 (鉄道ファン)「(新型車両を)初めて見るので、めっちゃ緊張してます」

 車両の製造は大詰めを迎えていました。モーターなどを取り付けるため、15km離れた近鉄の車庫に新型車両を運びます。滅多に見られない深夜の大移動。長さは約20mもあるため、道を曲がるのも容易ではありません。道幅が狭いところなど、さまざまな難所をクリアし、慎重に進みます。約1時間半かけて、無事、車庫に到着しました。

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 今年8月、ついに車両が完成。車両の正面部分は、従来の正方形に近いデザインから、八角形にイメージを一新。一方で、側面はおなじみの赤と白のツートンカラーを採用。従来の「近鉄らしさ」も残しました。

 (近鉄 喜多陽平さん)「かっこいい車両に仕上がったなと思います。(正面部分は)駅でお客さまがパッと最初に見るところですので、『あ、新しい電車が来た』と。古い電車と新しい電車で、変わった感もありながら、近鉄の電車とわかるようになっていると思います」

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 座席は混雑状況にあわせて、窓側に背を向ける「ロングシート」にも、進行方向に向く「クロスシート」にも変えることができます。喜多さんがこだわった緑色の座席は、車両ごとに2か所設置。「荷物を置くスペースがわかりづらい」という意見も踏まえ、床は色分けして目立たせました。誰でもくつろげる「芝生」と、「優しい場所」をかけあわせて、「やさしば」と名づけました。

 (近鉄 喜多陽平さん)「これから先、当社の沿線に住んでもらうために、子育て世代や観光客向けに快適な車両を提供することで、いい沿線だなと知ってもらいたい」