ただ、被災地でのドローンの活用には課題もあるといいます。

上田市武石地域での実証実験に参加している操縦士の宮島さんは、県外の被災地での活動経験から次のように指摘します。

宮島さん:
「災害が起きた時にドローンを飛ばせる人がその場にいるかということが難しいところ」
「災害は複数で同時多発的に起きますので、一人しかいなければ一つ(一か所)しか対応できない」

そこで、武石地域が目指すのはドローン運航の自動化。


ひとつのカギとなるのがデジタル化された立体地図で、高い建物などを避けて安全な飛行ルートが作成できるほか、将来的にドローンの自動飛行も可能になります。

武石では精密な立体地図の作成が進んでいて、年度内に地域のおよそ8割がカバーできる予定です。

上田市武石地域自治センター 下村孝之さん:
「私たちのようなドローンが使えない人間でもパソコン上で指令を出して飛ばせるという環境が必要ですので、その辺の環境整備が必要になってくると思います」

台風災害から5年。

ドローンなど新しい技術の導入に加えて住民も動き出しました。

住みよい武石をつくる会会長 児玉卓文さん:
「のど元過ぎれば熱さ忘れるじゃないが、だいぶ薄れてきている。あの時の危機感からすれば」
「だから自治センターと私どもが一緒になって防災会議を立ち上げようと」

9月には専門家による講演会を開催。

さらに住民が地域を歩きながら過去の災害や現在のリスクを知る機会を設けることにしています。