■息子の“個性”は“ギフテッド”だった・・・「“普通”をどこかで望んでいた自分にショック」
お母さんが都央くんは周りと「少し違うな」と思ったのは、幼稚園に通い出して友達との違いが見えるようになったからでした。

都央くんのお母さん 純子さん
「他の子はサッカーやゲームが好きなんですけど、都央は自分で作ったり、その仕組みを考えたりする方が楽しそうでした」
好きなことだけでなく、苦手なことも周りの子と違っていました。
都央くんのお母さん 純子さん
「ドッジボールって多分子どもってすごく好きだと思うんです。でも彼はドッジボールがある日の夜とか嘔吐を繰り返して。『何だろう?』って救急に運ばれて。感染症とかじゃなくて『精神的なものです』って診断。よくよく調べると、ドッジボールがあると幼稚園の先生が『彼はトイレに行っちゃうんです』って話を聞いて。ドッジボールってみんな大好きだと思っていたので、それが苦手ってどういうことなんだろう・・・。息子と話すと『わかんない』と。規則性がないから無秩序に跳ねたり進んだり、それがわからなくて彼は混乱してる。イレギュラーなことが苦手なんだと気付きました」
プログラミングが好き。イレギュラーなことに対応できない。それでも、これが都央くんの“個性”で“普通”だと思っていた純子さん。その後、“ギフテッド”だと診断された時は戸惑ったそうです。
都央くんのお母さん 純子さん
「自由とか、自分の子を尊重しようと思ってたのに、実際に違う面が見えると戸惑う自分がすごくショックというか、いざ突きつけられたときに『普通をどこかで望んでたんだ』っていうのがショック。親って自分が想像している中に収めたいっていうか、“この範囲内でできる・できない”が幸せなんだなって」
葛藤は今も続いています。
都央くんのお母さん 純子さん
「家族がその子をそのまま受け入れれば何ら問題はない。ただ、家族が『ちょっとこの違い何とかしたいな』とか、『ちょっと変わってるところを普通に収めたい』と思うと結構大変ですね」
■彼の“個性”を伸ばすために・・・「子どもが笑顔でいてくれるのが1番幸せ」
その子にとっての“普通”を理解してあげる。そのことが大切だと純子さんは感じていると言います。実際に、都央くんは都央くんらしさを理解してくれる先生と出会い、学校生活が変わりました。

都央くんのお母さん 純子さん
「あの先生に巡り合わなかったら、彼はこんなに自由で笑えなかったかもしれない。
たまたま先生が理解のある方で。初めて何も言わなくても先生が『これはきついよね』とか『無理しなくていいよ』みたいに言ってくださって本当に救われて、『こういう方がいろんな教育現場にいるんだ』って。先生の理解は大きいと思います。親なのか先生、塾の講師なのか、誰か理解すれば違うのかなって思います」
“ギフテッド”の子育てで大事にしていることを聞くと、周りに理解を求めることも必要だけど、“ギフテッド”に限らず子どもの“いいところ”=“才能”を伸ばしたいという思いを教えてくれました。
都央くんのお母さん 純子さん
「“ギフテッド”だからどうこうってのはないんです。あくまで彼の“個性”なので、彼にとにかく寄り添う。彼が好きなことを楽しくやる時間をできるだけ増やして、応援して。
親だったら子どもが笑顔でいてくれるのが一番幸せだと思うんです。
“ギフテッド”って言ってもいろいろなので、親が一番その子のことを理解して『苦手だよね』とか、わかってあげるだけでも子どもって救われるので、子どもを見てあげて子どもがつらそうだったらそれに寄り添って、好きなことやってたら一緒に喜んであげる。それがすごく大事かなと思います」
(8月25日放送・配信「SHARE」より)