分刻みの攻防と水面下の交渉

【午前9時】
陣営や選対の関係者がトイレへ行くために部屋を出入りするたびに記者が後を追う。みな一様に表情は固い。

吉田晴美議員もトイレへ。緊張した面持ちで頭を下げるだけで、また自室へと入る。

【午前9時45分】
江田憲司議員が別の議員の部屋へ。表情は険しい。また足早に戻っていく。

どちらが出馬にいたるのか、それともどちらも出馬できないのか?部屋の中では推薦人集めと、両者の一本化に向けた水面下の交渉が大詰めを迎えているようだ。

【午前10時6分】
江田氏が部屋から出てきた。「だいぶ見えてきた」と口にする。続いて江田陣営の議員も「どっちかが出るところに一歩、半歩近づいた感じですね」と話す。

決着の時が近づいてきた。各陣営、関係者の部屋の出入りが激しくなる。さすがに立候補受付の締め切りが近づいてきたため、記者に交じって立憲民主党の職員も廊下にスタンバイし、心配そうに様子をうかがっている。

立憲民主党職員から「あと1人来た時にどうするか、書類のチェックや用意もあるし」と本音が漏れる。

【午前10時20分】
江田議員の部屋から5、6人の議員がぞろそろと出てきた。「はー」と大きなため息を吐く議員もいる。そして、いまから江田、吉田陣営両方がそろってぶら下がり取材を受けるという。

江田氏が取材を受けるという場所となった議員の部屋へと入った。表情は明るくはない。時刻はすでに10時半を回っていた。