まさにギリギリの決着だった。9月23日に投開票される立憲民主党の代表選挙。その構図が決まる瞬間に立ち会った。

告示日当日の9月7日、時刻は午前10時半すぎ。立候補者受付が終了する午前11時まであとわずかというタイミングだった。

議員会館の廊下に漂った“独特な空気”

土曜朝の永田町。国会も開会されておらず、外は人の姿もまばらで穏やかな休日の朝を迎えていた。しかし、そんな中、衆議院第二議員会館の6階は違った。

このフロアには出馬を目指す吉田晴美議員と江田憲司議員双方の事務所がある。それぞれの事務所の距離は別の議員の2つの事務所をはさんで40mほどしか離れていない。

部屋の前の廊下には番記者ら約20人に、各局のカメラマンがスタンバイし、2人の出馬の可否が出るのを待ち受けている。会館内は土曜日ということもあって廊下の照明は消されていて薄暗く、空調も効いておらず、とにかく蒸し暑い。そこに昨晩から続く取材による記者たちの疲労感と両陣営の焦燥感がない混ぜとなった独特の空気が漂っている。