誰もが目にしたことがある坂本龍馬の写真。「湿板(しっぱん)写真」という技法で撮影されている。

「日本写真術の開祖」と言われる上野彦馬が長崎に開いた写真館で撮影された。

この湿板写真を、長崎市のカメラマンが現代に復活させた。

デジタル全盛の時代によみがえった古くて新しい撮影技術。その挑戦を追った。

湿板写真を長崎に復活!いとこ同士のカメラマン

日本では幕末から明治にかけて撮影された「湿板写真」。

しかし…これらは全て、2024年に撮影されたものだ。

その特徴は、画像がガラス板に写っていること。明るい部分ほど白く、暗い部分ほど透明になる。

背景に黒い布などをあてると、自然な明暗の像として見ることができる。

およそ100年前のカメラで湿板写真を撮っているのは、広告写真などの撮影を手がけるいとこ同士のカメラマン・柴原 啓一朗 さんと、柴原 龍一 さん。

150年前の技法にこだわって撮影している。

柴原寫眞・柴原 龍一 さん(41):「この独特の写真の写り方とか、この味わいとか奥深さみたいな。出来上がりに惚れ込んで」

撮影では、被写体に数秒間じっとしてもらう必要がある。

STUDIO K 代表取締役・柴原 啓一朗 さん(49):「(お客さんに)もらった秒数をこの(ガラスの)中に閉じ込めて、またお客さんのもとに戻せるというのは、めちゃめちゃロマンが詰まってるかな」