約100年前のカメラで撮影 専用溶液も一から調合

長崎市矢の平。2019年に龍一さんが開いた写真スタジオが、湿板写真撮影の拠点となっている。

この日 訪れたのは、昆虫が好きな兄弟。

育てているカブトムシも一緒に撮影する。

まず、上下左右が逆転した像を見ながら 画角や構図を決め、ピントを合わせる。

調合して作った専用の液をガラス板に塗り、画像を写す膜を作る。

ガラス板は、暗室で 銀を含んだ液に浸すと、光で化学変化を起こす性質に変わる。

光が当たらないようホルダーに入れ、カメラにセットする。

光を数秒間入れて レンズの蓋を閉めれば撮影完了だ。

ガラス板が湿っているうちに取り出し、現像液をかけると…明暗が逆になった画像が現れる。

それを定着液につけると、明暗が徐々に反転していく。

手に持ったカブトムシも角まではっきり写っていた。