異常に高い海面水温 「記録的に遅い梅雨入り」と「黒潮」が関係か

まず一つ目の理由として立花教授が指摘したのが、記録的に遅かった梅雨入りです。多くの地域で平年より2~3週間遅く梅雨入りが発表されました。
三重大学大学院 立花義裕教授(気象学)
「今年は日本のほとんどの地域で梅雨入りが遅れました。梅雨入りが遅れたので梅雨になる前に晴れてたんで、ですから、日射をたくさん受けて、水温がどんどん梅雨入り前から上がっていったと。その後、梅雨が明けても暖かい水温が維持されて、かつ猛暑が続いたので、さらに水温上がったと。だから夏の後半まで暑さが続いたと、いうことなんで、梅雨入りが遅れたってことと猛暑という気象が原因で水温が上がったということが第1の理由ですね。」

そしてもう一つの理由として挙げたのが「黒潮」です。
三重大学大学院 立花義裕教授(気象学)
「黒潮は元々むちゃくちゃ暖かい海面水温を持った海流なんですが、これが日本の南岸をたくさん流れてきて暖かい。それから黒潮から分かれてくる海流として対馬暖流もあるが、これも暖かいです。これが日本海、日本に流れてきて、この両方が非常に熱い水を運んできているんです。普通は日本に来るにつれて冷えてくるんですが、猛暑のために冷え切らないでどんどん来ているという意味で、黒潮の水の流れと猛暑の両方が絡まって暑いというわけです。日本海が非常に高いんですよね。ですから対馬海流にたくさんの暖かい海水が流れたというわけですね。」

「こういうふうに高い水温が続く最も大事な背景っていうのは地球全体の温暖化です。特に知ってほしいのは、地球全体の『海洋の温暖化』なんですよね。今、世界中の海面水温がどこもかしこも異常に高いんです。中でも日本近海、東アジアが世界で一番水温が上がってるんですね。
ですから地球温暖化に伴う世界全体の海面水温の上昇と黒潮が相まって、日本付近を狙い撃ちするがごとく水温が高い。」
「地球温暖化に伴って海面水温が上がる。日本は特殊な場所にあるので、海面水温の上昇した影響がより顕著に受けやすい黒潮が流れてる場所なので、温暖化に伴う海面水温の上昇の影響を一番受けやすい場所、だから猛暑が日本を狙い撃ちするということですね。」