ダチョウを“起用”した背景 かつては牛丼のみだったが…

 なぜ吉野家はダチョウを選んだのでしょうか?吉野家で提供されているメニューはかつては牛丼のみでした。2004年には豚丼、2021年にはから揚げ丼の販売を開始しました。ほかの肉を使うきっかけになったのが「BSE」(牛海綿状脳症)で牛肉が輸入ができなくなったことです。

 そうした中、ダチョウ肉を選んだ背景は食糧危機にあります。地球上の人口は増加しているため、食料は将来的に足りなくなるのではないかと言われ始めています。
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 1kgの鶏肉・豚肉・牛肉を生産するのに必要なエサの量は、とうもろこしに換算すると鶏で4kg、豚で6kg、牛は11kgです。人口が増えて人類の食料が足りなくなるのであれば、牛を育てるより人類が直接とうもろこしを食べた方が効率がいいかもしれない、という考え方もあり、牛の生産は今後“とても贅沢”という考え方になるかもしれません。

 また、牛が吐き出すゲップにはメタンガスには二酸化炭素の25倍の温室効果があるそうで、現在の地球上の温室効果ガスの5%は牛・羊・山羊のゲップから出たメタンガスと言われています。こうした環境問題・食糧問題から昆虫食なども言われていますが、その前にダチョウはどうかという話になってきているということです。