「川は増水する前にコーヒー牛乳のように濁る」上流の雨に要注意

ただでさえ注意が必要な、川との関わり方。最近では、頻発するゲリラ豪雨による増水にも気を配らなければならない。

「川は増水する前にコーヒー牛乳のように濁り、このキャンプ場周辺は濁り始めてから10分程度で増水してくる」

こう語るのは、埼玉県内にあるキャンプ場の担当者だ。毎朝警報・注意報・雷レーダーを確認し、随時雨雲レーダーで上流の天気を警戒。

上流の方で雨が降り、キャンプ場近くの川が増水しそうだと判断したら、川遊びをしているお客さんに川から離れるよう呼びかける。この8月は例年よりも多く、すでに5回ほどお客さんへの注意を呼びかけたという。

地球上の水循環を研究している東京大学の沖大幹教授も、いる場所の天気だけではなく、上流での雨にも注意するべきだと指摘する。

東京大学院工学系研究科 沖大幹教授

東京大学 沖大幹 教授
「上流から10キロ離れると、こっちは晴れてるけど上流は雨が降っているということはあり得る。それに気づかず、いきなり水位が上昇することがあるので、本当に危険です」

特にキャンプ場などがある山の方の支流は影響を受けやすい。山は“緑のダム”として、水を蓄える機能があり、24時間で50ミリ程度の雨が降れば土壌にしみこむ。ところが、同じ量の雨が1時間に一気に降ってしまうと、土壌にしみこまず表面を流れてしまうため、支流が増水してしまうという。