夏休み短縮で教員や保護者は…短縮取りやめの自治体も

藤森祥平キャスター:
環境や事情が違うので一概には言えませんが、夏休みを短くすることが、教員の負担軽減の問題や子どもたちの日頃の取り組みという面でも良いことに繋がるということです。どのように考えますか?

QuizKnock CEO 伊沢拓司さん:
古賀市の小学校の事例では、6時間目を削ることで良い効果があらわれたということですが、まず、そういう選択肢が行政側にもたらされたということはすごく画期的だと思います。

立場によってメリット・デメリットは様々あると思います。

最近は「体験格差」の問題がすごく課題になっています。余裕のある家庭であれば、夏休みは様々な体験をする場ですが、余裕のない家庭だと「食事をどうしよう」という課題など、子どもの行き場に追われ、“体験”どころではありません

しかし、夏休みはそうした社会課題を解決するためのツールではありません

暑すぎて授業ができないということや、校外学習のためなどが夏休みが設けられた理由ですから、夏休みを短縮することで社会課題を解決しようという方向に行ってしまうのは違うのかなと思います。「論点が多すぎる問題だな」というのが正直な感想です。

上村彩子キャスター:
夏休み期間の短縮の動きは、福岡県古賀市以外にも広がっています。

静岡県吉田町では30日以上あった小学校の夏休みを7年前に23日に短縮しました。しかし、現在は緩やかに約30日に戻したということです。

教員から「夏休み中に行われる公的な研修会に出られない」「長期休暇が取りにくくなる」といった懸念の声が上がったことが理由だということです。

藤森キャスター:
先生たちにも、長い夏休みならではの時間の使い方があるということですね。

伊沢拓司さん:
部活動などでみても、中学生は8月の後半に中体連がありますので、周りに合わせることになると思います。議論が膨らみ、様々な選択をする学校が増えれば、さらに良くなっていくのかもしれません。

夏休みだけの問題ではなく、仕組みなどとセットで考える問題だということが、この問題を見る視点になりそうです。