文化祭や体育祭で、クラス全員でおそろいのTシャツを作る――。
学校生活の楽しい思い出の一つですが、その発注をめぐるトラブルが高校生の間で相次いでいます。国民生活センターが公表した事例を紹介します。

「当日になっても届かない」高校生の悲痛な声

【事例1】学校に置いてあったパンフレットを見て、文化祭で使うクラスTシャツを注文した。事業者とはLINEでやり取りしていたが、当日になっても届かず、何度もメッセージを送ったが返事はなかった。パンフレットには事業者の所在地、連絡先は記載されていなかった。(当事者:高校生)

クラスTシャツが著作権侵害!?

さらに、「著作権」が絡んだトラブルも報告されています。

【事例2】体育祭で着るクラスTシャツを注文するため、SNSで見つけた事業者にLINEで連絡した。カタログ画像からロゴとエンブレムの入ったデザインを選んで注文したが、その後「ロゴとエンブレムが著作権の関係で使用できない。デザインを変更してほしい」と連絡がきた。キャンセルすると「キャンセル不可と記載している。キャンセルするなら商品代金を全額支払ってもらう」と言われた。(当事者:高校生)

実在する企業やスポーツチーム等のロゴが入ったデザインは、正規品ではない場合、コピー商品にあたり、知的財産権を侵害する違法行為になる可能性があります。

センターによりますと、カタログから選んだデザインのクラスTシャツを注文したら「税関で没収された」と連絡があり文化祭で使用できなかったうえ、原価分の代金も請求された、という事例もあったということです。

注文前に必ずチェックを

国民生活センターでは、正規品であることが確認できない場合は選ばないようにすること、またカタログやWebサイトで「事業者の住所・電話番号」、キャンセル条件などを必ず確認するよう呼びかけています。

困ったときは、お住まいの自治体の消費生活センターなどに相談してください。消費者ホットライン「188(いやや!)」は、最寄りの相談窓口につながる全国共通の番号です。