連動をもたらす「半割れ」 直近2回も

この被害は、震源域が一気に動いた場合の想定ですが、東側と西側のどちらか半分だけが動いて地震が起きる「半割れ」というパターンもあります。
この「半割れ」がどちらかで起きたあとは、反対側でも連動して地震が起きることが想定されています。実際、直近の大きな地震は2回とも、このパターンでした。
和歌山県の「養源寺」に残された古い絵には、1854年に起きた「安政南海地震」(M8.4)の様子が描かれています。死者は数千人だとされています。
民家の近くまで大津波が押し寄せ、住民が避難している様子が描かれています。夜に起きた地震だったので、田んぼに火をつけて誘導したそうです。
この地震の32時間前には、南海トラフの半割れで「安政東海地震」(M8.4)が起きていたのです。
直近で発生した1946年の「昭和南海地震」も、「半割れ」による連動で起きました。