“世界最速”のカギは「軽量化」と「抵抗」
大同工業 産機技術課 菊知達哉さん
「初期設計とか1年かけて、そこから試作を何回も重ねてやっているので、実際考えると2年くらいかかっていると思う。ざっとですけど200本以上は作っていると思う」

自転車のチェーンの構造です。図の中で黄色とグレーで示される複数のプレートがつながって1本のチェーンになります。プレート同士をつなぐのは要となるピンとその外側のブシュと呼ばれる部品です。

開発チームは従来のチェーンから軽量化しつつ、この2つの部品の表面をテフロンで処理することで強度も十分で滑らかで抵抗の少ないチェーンの開発に成功しました。

振り子を使った装置で比較するとその差は一目瞭然です。手前が開発した世界最速のチェーン。奥が従来のチェーンですが、世界最速のチェーンは従来のチェーンと比べ2倍以上の時間、振り続けています。この抵抗の少なさこそが選手の能力を最大限に引き出すために重要な要素なのです。

大同工業 産機技術課 菊知達哉さん
「ブシュの表面処理であったり、それも全部いろいろなピンに表面処理をしたり、ブシュに表面処理をしたりというのを、いろいろレパートリーを作って、それをテストしたりというのは何度もやっていたので、それを踏まえるとだいぶ時間はかかっているかなと思う」
