さんまの反射神経、タモリの日々の学習能力
各務 しかし、ツイている場合もおありだったわけですね。たけしが、フライデー問題で一時休業してる間に、さんまが出てくるとか。
横澤 そうですね、はい。
各務 そういう、たけしにしろ、さんまにしろ、タモリにしろ、これは将来伸びるぞと、そういう嗅覚みたいなものは、お持ちだったわけですか。
横澤 ううんと、それはね。それぞれみんな、キャラも違うし、持ち味が違うんだけども、なんていうんだろう、反射神経でしょうね。非常にやっぱり早いっていうか、鋭い人たちだと思いました。そういう意味で、話していると、薄っぺらくない感じはすごくありましたね。
各務 三人とも勉強家だとか。
横澤 すごい勉強家ですよ。それぞれ違う勉強のしかただけどね。テレビっていうメディアが何なのかってのを、すごくよく知ってますよね。
テレビっていうのは、やりながら学習するメディアなんだよね。最初から何か学習したものがあって、それを小出しにしようとすると、飽きられちゃう。伸びないんです。そうじゃなくて、今週はこういうやり方、来週はこういうやり方ってんで、日々学習して、一番妥当な方法を開発した人が勝つみたいなとこじゃないでしょうか。
だから、今で言えば「笑っていいとも!」のタモリを見てると、日によってボケの日とツッコミの日があるの、微妙にね。それ両方をやってるわけじゃないですか。でも、誰も何とも思わない。しかし本人はかなり意識してると思います。毎日一所懸命見ている人しかそれは分からないかも知れませんけど、変えている。
それから例えば、さんまなんか一番分かりやすいんですけれど、彼は感覚的には漫才をやっているわけです、どんな番組でも。その、漫才をやるっていう意味は、自分がツッコミで、あとはみんなボケだという考えで、出演者を選ぶわけ。
自分でツッコミがいがある人、うまくボケてくれそうな人を、共演者として、チョイスしてくる。だからどの番組を見ても大体そうですね。「踊る!さんま御殿‼」※ にしても、「恋のから騒ぎ」※にしても。
※「踊る!さんま御殿!!」1997年~(火)20~21時。日本テレビ
※「恋のから騒ぎ」1994年~2011年(土)23時~23時30分、のち(金)23時30分~24時。日本テレビ
だからそれは、変形の漫才だと思うんですよ。彼の場合徹底していますね、ちょっとずつ違いますけれども、そういう番組の作りをしている。彼の場合はパワーがどこまで持続するかにすごく神経を使ってると思います。やっぱり、反射神経じゃないでしょうかね。
