【イスラエル】国として参加OK ガザ地区へ侵攻しているが…

 一方で、ガザ地区に侵攻している「イスラエル」、イスラエルと対立する「イラン」、アジアの平和を脅かす「北朝鮮」は“国として”参加しています。『オリンピック憲章』には「すべての個人はスポーツをすることへのアクセスが保証されなければならない」という理念もあります。国の政治的事情で参加できないのはおかしい…ということで、「平和な社会の推進」と「スポーツへのアクセスを保証」、ときに対立する2つの理念の両立に、IOCは苦心しているようです。今回のロシア選手の“個人資格”での参加は苦肉の策でした。

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 ガザ地区に侵攻しているイスラエルについては、パレスチナが「イスラエル選手の排除」を求め、国連は「即時停戦」を求めています。一方、IOCは「両国のオリンピック委員会は平和的に共存している」という見解です。

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 また、イスラエルが参加を許されたのは、1972年の『ミュンヘンオリンピック事件』に対する同情的感情も世界的にあるのではないか、ということです。事件では、オリンピック開催中、選手村にパレスチナ・ゲリラの武装組織が乗り込み、イスラエルの代表選手ら11人が殺害されました。

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 ちなみに、北朝鮮は前回の東京オリンピックをコロナ禍を理由に参加表明しませんでした。しかし、実はこれはルール違反で、各国のオリンピック委員会は参加を表明する義務があるということです。この“ルール違反”によって北朝鮮はIOCから制裁を受け、2023年までオリンピックには参加できませんでしたが、今回のパリ大会は制裁が解除され、参加となりました。