この日、一翔くんと母親の美和子さんは、盛岡市内である人に会いました。
矢巾町を拠点に活動するグラフィックデザイナーの松前哲さん。

色覚異常を抱えるデザイナーです。
色覚異常の場合、パイロットなど特定の職業に就くことができません。

またデザイナーも色の判別が難しい色覚異常の人が務めるには難しいとされる職業の一つです。
松前さんは色覚異常のハンデを乗り越えて、イベントのポスターや菓子パッケージのデザインなどで活躍しています。

(松前哲さん)
「少し見えにくいなって感じるものがあって、そういうものを無くす、減らしていくには実際自分が作り手になるのが一番早いなと思った」

一翔くんも将来就きたい職業があります。
それは…

(大槻一翔さん)
「警察官!だけど、色覚異常で眼鏡があってもなれないかも」

全国の警察官の採用は過去には色覚が正常であることが要件でしたが、2011年にすべての都道府県で制限が撤廃されました。
それでも、色覚異常が業務に支障が出るほど異なる見え方と判断されると警察官になれない場合もあり、一翔くんにとってのハードルは決して低くはありません。
松前さんは警察官を目指す一翔くんにエールを送りました。

(松前哲さん)
「それをやってみようと思ってやってみて、努力してチャレンジすることは悪くない。チャレンジしてみてほしいし、それが無駄にならない社会にどんどんなっていけば」