一翔くんの母親の美和子さんです。
先天色覚異常が遺伝性の疾患であることから、息子の病気を知ったときは自分を責めました。

(大槻美和子さん)
「ショックでしたね。今までずっと一緒に見てきた世界が自分とは違ってたんだな。罪悪感というか申し訳なさがありました」

美和子さんは病気を知ってから、一翔くんが見ている世界を理解しようと努力して います。

(大槻美和子さん)
「緑が黒でこれが黄色で、青が紫」

自分と異なる見え方をしていても否定はしません。(大槻美和子さん)
「色覚異常があっても、前向きに人生を過ごしてほしい」

そんな一翔くんに寄り添い、サポートする一人、中野小学校の特別支援学級を受け持つ講師の藤村真樹さんです。

(藤村真樹さん)
「廊下ですれ違うとき、朝と表情が違うなと思った。『なにかあった?』と聞いたら、色覚異常の話を聞いた」

実は藤村さんも色覚異常を抱えています。
一翔くんと同じ小学生のときに病気が発覚しました。

(藤村真樹さん)
「図工の絵具が何色も並べられたとき、『これの違いって何なんだろう?」とは当時よく思っていた。自分はまわりと見え方が違うのかとなったときすごくショックだった」

自身の体験と重ね合わせながら、一翔くんの学校生活を見守っています。

(藤村真樹さん)
「『あの子は色が見えづらいから、こういう支援が必要だよね』というのを学校全体で把握して、先生全員が進めていくのがすごくいい」