認知症の「予防につながる」AI

「認知症の予防につながる」AI技術も、実用が始まっています。

東北大学・加齢医学研究所の瀧靖之教授によると、脳は30代から少しずつ委縮し始めるとのこと。しかし、記憶をつかさどる「海馬」だけは、生活習慣の改善で大きくなることがわかってきました。

そこで大事なのが「今、自分の海馬がどういう状態なのか」を知ることなのですが、左右一つずつある海馬は、約5cmと小指ほどの大きさ。
解析しにくいという事情がありました。

この問題を解決したのがAIによる検査方法です。
東北大学・瀧研究室発のベンチャー企業『CogSmart』が、1万人以上のMRIデータをAIに学習させ、「海馬」の体積を測定できる技術を開発。

『CogSmart』CEO樋口彰さん:
「目で見るだけだと、なかなか海馬の体積はわからないが、AIを活用することで、具体的な体積の数値や、どのくらい委縮しているのかがわかる」

すでに全国80か所以上の医療機関に導入され、2万円ほどで検査が可能とのことで、42歳、若干ポッチャリの番組ディレクターが実際に受けてみました。
(※料金は医療機関によって異なります)

MRI画像を撮影し、30分ほどで出た結果は…
(※結果が出る時間は、医療機関や検査時間によって異なります)

『うえのとしあき脳神経クリニック板橋』院長・上野俊昭医師:
「海馬の体積は、7450㎣。同年代の平均よりちょっと下という数字です。
ただ個人差があるので、これで萎縮と決めつけるわけではない」

それでも、「ちょっと危機感を覚えた」という番組ディレクター。
生活習慣を改善すれば、海馬を小さくならないようにしたり、大きくできる可能性もあるとアドバイスを受け、食生活の改善を決意していました。

年に1回でも「海馬」を定期的に測定し、その変化を知ることで、生活習慣の見直しにつながり、認知症リスクを減らすことができるといいます。

実際に検査を受けた人は…

33歳男性:
「提案してもらった生活習慣を、より意識してやっていこうと励みになった」
59歳男性:
「結果がわかりやすいし、早いし、値段も比較的安いのでいいと思う」

(THE TIME,2024年7月12日放送より)