もち麦の「黒い線」を消す“感動の技術”
そして木下さんが「20年以上編集部にいる中で一番感動した工場」と話すのが、大麦シェアNo.1「はくばく」の、もち麦工場。

スーパーでもよく見かけるようになったもち麦は、大麦の一種で
▼食物繊維が白米の7.3倍、玄米の3.5倍と豊富
▼低カロリー
▼含まれる食物繊維が腸内の「痩せ菌」を増やす
とのことから人気が急上昇。
生産量も【2016年:270トン】⇒【2023年:1万620トン】と、
7年で約40倍に伸びています。(※農林水産省データより)

そんなもち麦の“味も色も大きく進化させた”という「はくばく」。
“感動の技術”がバージョンアップしたとのことで、山梨本社工場へ!
まずは、もち麦を真っ白に加工する工程から。
原材料の段階では、玄米のような茶色。

中で砥石が回転しているマシンに入れ、外側の皮やヌカを、削っていきます。
麦は米よりも皮が厚くてカタいため、時間をかけ、0.01ミリ単位で何度も削ると
表面は真っ白に!
しかし、粒の真ん中を走る黒い線…。これを除去するのが大変なんです。

それを可能にしたのが、試行錯誤の末に生み出された独自の切断機!
特別に中を見せてもらうと、細い溝がたくさんついたローラーが。


その溝1本1本に、大きさが5ミリもない麦粒が1粒ずつはまり、
ちょうど黒い線のある真ん中でカットされるという“超精密”マシン。
半分にすることで黒い部分も磨くことができ、真っ白なもち麦を作ることができるのです。

『月刊食品工場長』木下統括デスク:
「この細かさがすごいなぁと思って感動しちゃう」
本来もち麦は、熱に弱く加工が困難だったのですが、2023年に初めてこの技術をもち麦に応用し成功したのが、当時入社2年目の本多智栄子さん。

「はくばく」開発部 本多さん:
「実は最初は麦があまり得意ではなかった。
地元が新潟なのでお米ばかり食べていたけど、加工技術も、麦自体も
美味しく進化しているので、苦手なニオイなどが少しずつ改善されてきている」
麦が苦手なZ世代が開発した「真っ白のもち麦」。

白米と混ぜて炊いても引けを取らない白さで、食べた原部員も「ほぼ白米!」と感激していました。