15奪三振の熱投で甲子園に導いた大阪桐蔭・森陽樹投手
大阪大会決勝は、その報徳学園に春のセンバツ大会に敗れた後、夏の大会での日本一奪還に向けてチーム力を高めてきた大阪桐蔭と、大阪大会の決勝は39年ぶりとなる東海大大阪仰星の対戦。
準決勝では大阪のライバル履正社相手に打線が爆発して圧勝した大阪桐蔭。しかし、西谷浩一監督が「大阪大会はそんなに甘くない。決勝は絶対に接戦になると思っている」と話していたとおり、東海大大阪仰星の粘り強い戦いぶりに苦しみます。仰星の先発・壹崎晃心投手の緩急をうまく使うピッチングの前に、2回と5回に1点ずつ奪うのが精一杯。なかなか突き放すことができません。
それでも、西谷監督が期待も込めて決勝戦の大事なマウンドを任せた2年生の森陽樹投手が踏ん張ります。序盤こそ、ストライクを取りにいくストレートを狙われて痛打を許したものの、角度のある威力抜群の速球でピンチをしのぐと、中盤からは組み立てを修正。同じ2年生のキャッチャー・増田湧太選手とのコンビで次々と三振の山を築いていきます。
しかし、東海大大阪仰星もさすがは激戦区大阪の予選を勝ち抜いてきた実力校。7回に3点目を奪われたあとの8回、ようやく巡ってきたチャンスをものにします。2アウトから1塁2塁のチャンスをつくると、5番・東村奎汰選手がタイムリーツーベースヒット。1点を返し、なおも2塁3塁と一打同点の絶好の場面をつくります。
この場面でも、森投手、増田捕手のバッテリーが選択したのはストレート。「終盤のイニングだったが、ストレートは十分に来ていた。ゾーンさえ間違えなければ大丈夫だと思ってサインを出した」と語った増田捕手。「変化球でタイミングを外しても合わせられる危険性がある。威力あるストレートの方が抑えることができると思った」と振り返った森投手。粘る6番の十河滉選手に8球連続でストレートを投げ込みました。最後は力で押し込んでショートゴロ。最大のピンチを脱出します。9回もマウンドに上がった森投手は、東海大大阪仰星の反撃を3者凡退に抑えて、そのまま3対1でゲームセット。
春のセンバツ大会、登板する機会がなく敗れた報徳学園戦の後、「夏は絶対に自分の力で(地方大会を勝ち抜いて)この舞台に戻ってくる」と話していた期待の2年生右腕が大事な試合を1人で投げ抜いて、138球、15奪三振の熱投で見事、チームを甲子園に導きました。
試合後、「今日で大阪の代表にならせていただいたので、本気の本気で、日本一を目指して、大阪に優勝旗を持って帰ってきたいと思います」と力強く語った西谷浩一監督。日本一を目指す最強の挑戦者・大阪桐蔭が、今年の夏の甲子園に戻ってきます。














