梶裕貴さん「AI技術を敵対視しているわけではない」

そこで生み出したのが、梶さんの声をデータベースに持つキャラクター「梵そよぎ」です。

梶さん
「皆さんに自由に使っていただいて、新しいエンタメ作りができればと始めました」

このキャラクターを公認ソフトとして製品化。パソコン1台で、誰でも梶さんの声を持つ、梵そよぎで創作物を作ることができます。

梶さん
「そこに僕の著作権、ソフトの権利というのは一つ生まれているわけで、新しい手段を提供するの止めるのではなく、それを出すことで抑止に繋がるのではないか」

梶さんがプロジェクトでまず取り組んだのは、歌を歌わせるソフト「CeVIO AI 梵そよぎソングボイス」を製品化。そして次に製品化したのが、喋るソフト「CeVIO AI 梵そよぎ トークボイス」でした。

梶さん
「企画を進める中で、(AI)技術の素晴らしさ、限界点、役者だからこそ分かる(AIが)再現できないものも見えてきて。僕自身はAIという技術を決して敵対視しているわけではなく、アナログとデジタルの良いところを理解し合って進んでいくことがお互いの道にとってベストではないか」

声とAI。
声優・梶裕貴さんが描く未来は…

梶さん
「予期せぬものが生み出される瞬間が一番楽しい。自分1人だったら辿り着けなかったもの、見えなかった景色・作品を一緒に作れたらなという思いがあるので、ガイドラインをしっかり設けて、その中で自由に作って楽しんでもらって新しい文化が生まれるのかなと期待してます」

会話する「音声チャットボット 梵そよぎ AI」が7月末に正式発表される予定です。

一足先に体験させてもらいました。

スタッフ
「ニュース番組なので、最近気になってるニュースが聞きたいです」

梶さん
「最近気になっているニュースはある?」

会話できるソフト 梵よそぎ
「そうだな。最近は環境問題のニュースが気になるよ。特に、海洋プラスチック汚染の話題が多いけど、深刻だと思う。君も何か気になるニュースある?」

梶さん
「環境問題のニュースをね…。ここで初めて知る知識や情報があって、会話のラリーをすることで、もっと『梵そよぎ』というキャラクターを好きになっていってもらえるんじゃないか。その先にAIの印象が変わればとか色んな思いはありますが、(スマートフォンやAIなど)身近になってきたものがある中で、自分はどう向き合うか(スマホを)タップする間に考えてもらうきっかけになってくれたら嬉しい」

(ナレーション 新谷良子)