「いくつでも(MA)」と「3つまで(3A)」
調査では、1つの質問にたくさんの選択肢が示され、その中から自分にあてはまるものをいくつでも選ぶ形式があります。
これを「複数回答(multiple answers)形式」といい、調査の現場では英語の頭文字をとって「MA」と略称することがしばしば。
一方、選べる数を限った「制限複数回答(limited multiple response)形式」というものもあります。例えば最大3つまで選択可のものは「3つの回答(three answers)」から「3A」と略称したりします(注1)。
同じ質問の同じ選択肢でも、「選択肢を何個選べるか」によって選択率の数字は大きく変わってきます。
しかし、同じ選択肢の同じ質問を異なる回答形式で調べて比べることは珍しく、どれだけ数字が変わるか示されることもあまりありません。
ところが、TBS生活DATAライブラリ定例全国調査(注2)では、1995年5月にその珍しい試みを行ったことがあります。
70年代に始まるTBS生活DATAライブラリ定例全国調査は、現在では年1回11月の実施ですが、99年まで5月と10月の年2回実施でした。
調査には選択肢が30個の「社会全般の関心事」と29個の「日常身辺の関心事」の質問が含まれ、ある月はMA、別の月は3Aで調査を実施。
しかし、調査ごとに回答者が変わり、調査月も違い、選択肢もその時の世情を反映して、言い回しを微妙に変えたり別のものに差し替えたり。
そんなことでMAと3Aの直接比較が難しいなか、95年5月調査では、同じ回答者に同一選択肢の質問を2つの形式で回答してもらいました(注3)。